購読しているメルマガのタイトルが
今日のタイトルなので,つい読みまして
シェアするに至りました。
好きなんですよね,このフレーズ。
で,内容がちょっと日本人的には?
というものなのですが,
(日本人的には,と括る時点で
おいおいかもですが, )
自分がいた業界のことだし,
許すってこと,こう考えるのか?
なんて自分と違うんだろう,
で,「そこに愛はあるのか?」

―――――引用ここから―――――
伊勢です、
突然ですが、
「最愛の人を無残に殺害されたとして
その犯人を許すことができますか?」
想像したくもないことだと
思いますが、今日はその事についてです。
・・・・・・・・
去年末にマイケル・ムーアの
「世界侵略のすすめ」という映画を紹介しました。
面白いので、ぜひ、見て欲しいと
シェアしたところ、
たくさんの方が見てくださって
感想を下さいました。
そのときに、
みんながコメントをくれたら
ぼくの意見をシェアします。
と、言っていたのですが
2ヶ月も放置してしまいました。
なので、その映画の感想も含めて
シェアをしたいと思います。
ぼくが一番、印象に残っているのは、
ノルウェーの刑務所の話です。
強姦魔、殺人犯などの重犯罪者の刑務所が
取り上げられていたのですが
にわかには信じられない光景がそこにはありました。
独房は、一戸建てのようで
パソコンもテレビもキッチンもあります。
冷蔵庫もあるし、個室にトイレも浴室もある。
ゲーム機まであるし、DVDの貸出もある。
音楽を収録するスタジオまであります。
洗濯機もあるし、スーパーのような食料品店もある。
高級なペントハウスのような家です。
家の前には、大きな湖があります。
鍵を持っているのは本人だけで
夜中に鍵を閉められることもありません。
受刑者は、自由な服装でTシャツ短パン姿で
自転車をウイリーしながら乗っていました。
食事も美味しそうです。
キッチンには、ナイフや包丁が置いてありますが
殺人犯も自由に使えます。
115人の受刑者に対して
4名の看守です。
看守は銃をもっていません。
「話せばいいのよ」
と言っていました。
ここでは殴られることもありません。
昼間はのどかに日光浴を芝生の上でしています。
まったく罰されていません。
その様子をみてマイケル・ムーアは言います。
「アメリカの再犯率は世界で最も高い。
80%が5年以内に再犯する。
ノルウェーの再犯率は20%だ。
世界で最も低い。」
犯罪者にも選挙権があり
候補者が演説にきます。
この話を見てぼくが一番思ったこと。
それは、
「殺された人の家族の気持ちでした。」
ノルウェーには、死刑制度がありません。
罪を犯した人は、司法制度が裁き
判決が下り、紹介したような刑務所に入ります。
そして、何年か後には、社会復帰をします。
ひとりの家族が映画に登場します。
17歳の息子を殺された家族です。
54人の少女少年がサマーキャンプ中に
無差別な銃の乱射で殺された被害者の家族です。
殺される40分前に電話が息子からかかってきて
「パパ大変だ、誰かが銃を乱射している」
と言われたと言います。
それに対して、
「みんなと一緒に隠れなさい」
と、答えたと言います。
そんな彼にマイケルは質問します。
マイケル「息子が銃を持っていたらと思わない?」
家族「・・・泳げたら良かったのにと思う」
マイケル「泳いだ子は助かったからね」
マイケル「犯人を殺したいとは?」
家族「NO」
マイケル「チャンスがあっても」
家族「NOだ」
マイケル「息子の敵だ」
家族「NO、復讐は望まない」
マイケル「仇は討たない?」
家族「NO」
マイケル「息子の仇だ」
家族「・・・犯人と同じレベルに下りてこう言えと?
お前を殺す権利がある。そんな権利はないさ。」
マイケル「相手がクズでも」
家族「・・・最低のクズでも。私に殺す権利はない。OK?」
マイケル「凶悪なテロ事件後も司法制度は変わっていない
反テロ運動はしない?」
家族「NOだ」
マイケル「警官を武装させたいけどそれすら
煩わしいのかな?9.11後のような反応は?」
家族「・・・ちょっと言い方を変えよう。
この件では首相から国王ご一家まで
ノルウェー中の当局者もメディアもこう言った。
『ノルウェーを大切にしよう』
お互いを大事にしてきたように。
力を合わせ、心を開き
開かれた社会で民主主義と
言論の自由を高める。
収監しても物事はよくならない。
憎しみをますだけだ。」
・・・・・・
ノルウェーの実刑判決の最長は21年。
21年後には、どんな重犯罪者も
世に出てきます。
ノルウェーの殺人事件の発生率は
世界一の低さを誇ります。
・・・・・・
この話を聞いて、どう思いますか?
私が何より思ったのは
ノルウェーの司法制度や刑務所の実態に
ついてではなく、
「被害者の家族の気持ち」
についてでした。
自分だったら、大切な人を奪われて
こんな事を言えるだろうか?
と思いました。
自信がありません。
復讐をしたい、ぶっ殺してやりたい
それが、人間だと思います。
この家族の言葉は、人間の本能に反している
言葉だと思います。
でも、人間の本能は、寿命が短くて
食べ物がなくて、マンモスとかに追われていた
時代に身に付いたものです。
食べ物があれば、食う。
異性がいれば、子どもをつくって遺伝子を残す。
そういう時代に身に付いた本能です。
短期的な欲求がなければ生きられなかった
時代の名残です。
でも、現代はそうではないです。
寿命は伸び、食べるにも困らず
生存が脅かされない時代に生きていいます。
だから、本能に反する制度を持った結果
ノルウェーのような社会が実現しているとも
言えると思います。
もちろん、家族の人が本当のところ
どう思っているかは分かりません。
納得なんて到底、できないだろうし
殺される前の電話でのやり取りを悔いていないわけが
ないと思います。
その気持ちは、家族にしか分かりえません。
それでも、その家族はビデオカメラの前で
このように言ったのです。
この家族が言っていることは
綺麗事でしょうか?
この家族(父親)は
男らしくないのでしょうか?
父親は、息子を愛していなかったのでしょうか?
愛がなかったから
復讐をする気はないと
言えたのでしょうか?
そうは、思えません。
ぼくが映画を見て思ったのは、
ただ、画面の向こう側に
「深い悲しみを抱えて
それでも、憎しみの連鎖を
自分で止めようとしている人がいた」
ということだけです。
その事実を目の当たりにした、
というだけです。
ぼくはやっぱり、
多様性を受け入れ、
(受け入れるというのは
同化するのではなく
ただ、そういう考えもあるのだなと
認めることです)
そして、人の可能性を信じ、
自分の信じることを
押し付けるのではなく
ただ、ひとつのひとつの事実を
選択肢として提示して
「あとは、あなたが決めれば良い」
というスタンスで行きたいと
思います。
伊勢隆一郎
追伸:
去年の冬にノルウェーのオスロにいきました。
ノルウェー建築の歴史とか、
ノーベル平和賞の記念館とかを
見て回りました。
シーフードが本当に美味しかったなー。
クジラとトナカイも食べました。
ちなみに、クジラを食べているので保護団体から
色々言われるのは日本と同じですが、
ノルウェー国の見解は「無視。好きにさせろ」です(笑)
ちょっとしかいなかったけれど、すごく好きな場所です。
住んでも良いかもと思うくらい一目惚れしました。
シャイな国民性も日本人と似ているなと思いました。
トラムってわかりますか?路上を走る電車です。
一番驚いたのは、トラムに料金の支払いをチェックする
システムがないことです。
タダで乗ろうと思えば、誰でもタダで乗れる。
「そんなずるい人は、いないでしょう!
そこ疑うほうが、コストかかるし」
という信頼をベースにしているんです。
信頼を大事にする北欧ですが、有言実行というか
その在り方に迫力を感じて圧倒されました。
ちなみに、ぼくはフリーパスチケットを落としてしまい
チケットないのが見つかったらどうしようと
ビクビクしながら乗っていたのですが(笑)
ノーベル平和賞の記念館で、パスを落としたことに気づいて、
受付の前で、カバンをひっくり返して探していたら、
係の人が「落としたんだろ、いいから入れ」と入れてくれました。
人を信じるということが徹底しています。
その器に圧倒されました。
―――――引用ここまで―――――
出典:伊勢隆一郎【ビジマガ】
https://mm.jcity.com/MM_PublicSubscribe.cfm?%20UserID=rcreative&MagazineID=1072&MoreItem=1
「許せない」「許せる」
「仇を討ちたい」「討ってはならない」
「息子を返せ」「死んで詫びろ」
「一生,罪を背負って苦しめ」…
自分はまだ,「仇だ,ぶっ殺す」です。
できるかは,ビビりなので… 思いは,です。
ただ,確かにこれでは,負の連鎖が続くでしょう,
知恵を蓄えた人間なら,やはり,
憎しみを越えて,「人間」社会を作っていく方が,
建設的なのかな?
あなたはどう思いますか?
質問,意見や感想などお待ちしています。
最後まで読んでいただき,ありがとうございました。
Aza
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